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2019/06/04)
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及川徹 2本
「徹……」
「負けちゃった」
「とおる」
「ホントさ、天才って嫌になっちゃうよね!」
「とーる、」
「……」
「んな泣きそうな顔でアタシんとこ来ないでくれる?」
「てめーが泣く場所はこっちじゃないでしょうが」
「泣くならあっちで泣けよ、グズ川さん」
「梓ちゃん……」
「ほら、とっととチームメイトんとこ行きなさいよ」
「泣くの我慢できてない梓ちゃんに言われたくないよ!」
「うるさいっ!これはアンタと会う前に泣いた分だから今関係ない!!」
「ははっ…ありがと」
「徹」
「ん?」
「よくがんばりました」
「……っ」
「泣くところはこっちじゃないって言いながら……何泣かせようとしてるの!!バカなの!?」
FHQぱろ
「なんで女の子が召喚されてるワケ?」
「俺、ドラゴン召喚したつもりなんだけど?」
「…お前、名前は?」
「はねのはえたままはわたしを[ヒト]ってよんでたよ」
「は?」
「ままがわたしをおいてどこかにいったの」
「そしたらはねのはえたどうぶつがたすけてくれたの」
「ままだとおもってくれていいよ、っていってくれたの」
「だから、はねのはえたまま」
「ヒトって意味わかってる?」
「ままはほかのきょうだいとくべつするためにヒトってよんでたけど、」
「ヒトっていうのはおまえのなまえじゃないよ、っていってた」
「わたしになまえは、ない」
「へぇ?」
「お前、その幼さでそこまでわかってんの」
「かわいくないね?」
「よくままにいわれた」
「あっそ」
「あなたは?」
「あなたのなまえは?」
「……トオル」
「トオル?」
「そ。みんな大王様って呼ぶけど、俺だって名前で呼んでほしいんだよね」
「トオル」
「なに」
「トオル」
「……うん」
「…」
「ああ、もう。わかった」
「いいよ、お前に名前つけてあげる」
「…ほんとに?」
「とびっきりの名前をあげよう」
「お前を召喚したのも何かの縁だろうし」
「強い言霊を込めて呼ぶから気をつけな?」
「お前の名前は―――」
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