賢木修二

「え゙、賢木！？」
「どうしたのみなも……って賢木先生！？」
「ど、どないしたん、その顔」
「ちょっとな……」
「ふーん、彼女と全員別れたんだ」
「って勝手に読んでんじゃねぇよ！」
「ついでに少佐にお嬢さんを僕にくださいって言いに行ったっぽいよ」
「あっ、テメっ……！」

「「「えっ」」」
「ま、まさか」

「もしかしてそれ、京介にやられたの！？」
「ううん、紅葉さんだって」
「あー……」
「少佐ともバトったみたいだけど」
「だから勝手に見るんじゃねぇよ」
「最終的に紅葉さんにこてんぱんにやられたみたい」
「紅葉さん、梓ちゃんのことほんまの妹みたいに可愛がってるもんな」

「ふーん。やっと本命一人に絞るんだ？」
「ウチにも姉のように慕う紫穂が居ったな」

「おはよーございまーす！」
「おーっと！？　ちょうどいいところに！　本人登場じゃん！」
「薫、興奮しすぎや」

「梓ちゃーん！　おはよー！」
「あ、薫ちゃん、おはよう！」
「うーん、今日も抱き心地最高！」
「あ、ありがとう……」

「わりぃが、薫ちゃんでも邪魔させねぇぞ」
「え、あ、賢木先生？　どうしたんですか、そのでっかい紅葉。またフラれたんですか？」

「……賢木先生？」

「あ、あたしもしかして邪魔者！？」
シュパッ
「当たり前やろ」
「葵、サンキュー」
「ほら、二人とも黙って。朝からこんな面白い物が見れるんだから」
「紫穂も……賢木たちをエンタメに消化してやるな」
「皆本さんもエンタメにしてる自覚あるんだー」
「うぐっ……まぁ」

「賢木先生？」
「全員別れてきた」
「へ？」
「ずっとうやむやにしてて悪かった」
「え、あ、え……」
「兵部にもちゃんと筋を通してきた」
「え、あの」
「浮気なんて絶対ェしない」

「俺と、付き合ってください」

「……」
「梓ちゃん」
「幻覚！？　夢！？　妄想！？　パティ！？」

「なんでそこにパティが出て来るんや」

「梓ちゃん、いや、違……！」
「賢木先生に限って一人に絞るなんてありえない！　解釈違い！　私に都合が良すぎる！」
「あ、ちょ……！　……っと」

「梓ちゃん！？」
「どないしたんや！？」
「……気絶？」

「キャパオーバーで熱出ちゃったみたい」
「紫穂！　勝手に見てやんなって。俺はともかく、梓ちゃんは……」
「良いじゃない。今から医務室で二人っきりでしょ？　ね、賢木センセ？」
「賢木先生ってば！　やらしい！」
「ちょっ！」
「やっぱフケツやな」
「だから……！」

「まあ落ち着け、賢木」
「梓ちゃんが倒れたことは僕から局長に報告しておくから」
「くれぐれも職場では……するなよ？」

「しねぇよ！！！！」