鳳瑛一と作曲家
「え、シャイニング事務所と合同でライブすんの?」
「ああ、スターリッシュから直々に誘いがあってな」
「あんなに険悪だったのに?」
「そこは掘り返すな」
「ふーん……ま、SSSのライブ見てる限りだとそれなりの信頼感はあったみたいだけど」
「で、瑛一は誰とユニットを組むの?」
「よくぞ聞いてくれたな!」
「お前の大好きな黒崎蘭丸とだぞ!!!」
「え」
「ちなみにもう一人は四ノ宮那月だ」
「……」
「……顔面偏差値高すぎない?」
「あとみんなめちゃくちゃ身長高いし、何より歌がうまい」
「なんだ?もっと喜ぶと思ったんだがな」
「瑛一が蘭丸と四ノ宮くんと並んで歌ってるところが想像できないだけです」
「照れ隠しか?相変わらずお前の愛は表に出ないな。だが其処もイイ」
「冗談抜きでね」
「二人の曲って今までの聞いてると激しい曲が多いから、
なんていうかちょっと瑛一と歌ってるのがほんとに想像できないの」
「なるほどな。お前が言いたい事もわからなくもない」
「でも純粋に楽しみにしてるよ」
「ああ、当然だ」
「お前はHE★VENSの最初のエンジェルであり、大事な作曲家だからな。
まあ、お前には俺のソロしか書かせるつもりは無いが」
「えー、いい加減もっと色々書きたーい」
「駄目だ。お前の愛は俺だけが受け止めて居ればいい」
「(なんでそんなうすら寒い事しれっと言えるんだろう……)」
「ん?照れているのか?」
「照れてないですけど」
「言葉とは裏腹に顔が赤いぞ。天邪鬼なお前もイイ!」
「……ほんと、デリカシーないなあ」
「ところでさ、今回の作曲も七海春歌さんなの?」
「ああ」
「そっかー。彼女本当に色んな曲が書けちゃうなー」
「ねえ瑛一!七海さん紹介してよ!私、色々話聞いてみたいんだよね~」
「む」
「え、なに?」
「いや、お前が自分から人に興味を持ったのが悔しくてな」
「は?」
「あれだけ口説いて俺の歌を作るまで至ったと言うのに、そんなにたやすく心を明け渡すとは……」
「いや、あの、同業者じゃん?」
「僅かながらに妬ましい!例え七海春歌であったとしても……!」
「(えー……自分の世界モードに入っちゃった……)」
「ナギくーん、たすけて~~~~」
「今の瑛一、めんどくさ状態だからヤダ」
「えー……」
「自分の責任でしょ?自分でなんとかして」
「七海さん紹介していって言っただけなのにぃ」