黒崎蘭丸の古参シリーズ 2本
「うおおおおお蘭丸髪色違うううううあああああ!!!!」
「黒も似合ってるけどやっぱり蘭丸は派手髪似合う」
「カッコよすぎて泣ける」
「この雑誌三冊は買いたい……」
「…どうでもいいけど蘭丸昔ツートンとかしてたじゃん?」
「ああ、うん」
「ピンクと黒のツートンでベース引いてる蘭丸最強だった」
「それいつの時代の話?」
「まだ蘭丸が歌わずにただのベース麺だった頃」
「カッコよすぎてさー、」
「蘭丸の出番終わった後に物販で、」
「ぴんくろツートンの蘭丸さん最高ですね!つったら、」
「蘭丸が照れたの」
「…は?」
「いや、ほらまだマイナー盤の売れないベース麺だった頃だから」
「まだ女嫌いになる前の話だからね?」
「その時の物販でチェキ買ったら何も言わずに蘭丸が自分で引いたの手渡された」
「全部蘭丸じゃない麺だったから蘭丸にキレた」
「何それ嬉しいけど嬉しくない思い出……」
「ぴんくろツートンまたしてほしいなー」
「シャニタレになるちょっと前からずっと銀髪だったからもう銀髪固定なんだろうけど」
「黒髪とか濃い色の髪色してる蘭丸そろそろ恋しい……」
「でも黒髪に戻したら多分アイドルとして個性無くなる」
「売れないのは嫌」
「……いやでも、やっぱり銀髪のままで居てほしいな」
「(コイツ本当に頭の中黒崎蘭丸の事しか考えてないなー……。ブレないなー。独り言うるせー)」
「アタシ、蘭丸がアンタのこと気に入ってるのなんかわかったわ」
「だから蘭丸はそんなんじゃないって」
「古株だからちょっと贔屓してくれてるだけだってば」
「アンタの蘭丸愛は女嫌いすら超えるのな」
「はぁー???何言ってんの????」
※蘭春前提
「あれ、らんま……黒崎サンじゃないですか」
「……お前に苗字で呼ばれるの変な感じだな」
「じゃあ、蘭丸さん」
「……気持ち悪ぃな」
「ウルセェ」
「そういや、街中で会うのは久しぶりだな」
「そうですね。誰かと待ち合わせ?」
「……」
「そういう隠せないところ変わんないねー」
「あれでしょ、例のナナミハルカちゃんじゃない?」
「は!?」
「いや、最近蘭丸楽しそうだもん」
「きっと幸せにしてもらってるんだろうなーって」
「で、思ったのがこの間作曲してた子かなーって」
「……」
「図星か!」
「はははーんやっぱりね」
「で、今日も打ち合わせ兼デートってところか?」
「悪ィかよ」
「いいや。むしろ彼女出来てちょっとホっとした」
「……」
「やっぱお前みたいなファンがいてくれてよかったって思う」
「でしょ、伊達にアンタのファンしてないからね」
「……」
「なんか悩んでんの?」
「お前、今ちょっと時間あるか?」
「え、あるけど。ハルカちゃんと待ち合わせしてんでしょ?」
「……今度の新曲について……ちょっと、な」
「私の意見なんて聞いて大丈夫なの?」
「まあ、聞かれたら答えるけど」
「サンキュ」
「じゃあちょっとハルカちゃんには悪いけど此処座らせてもらう」
「……おう」
「さっきも言ったが新曲を今春歌と作っててよ」
「(あの蘭丸が女を下の名前で呼び捨てにしてる……久しぶりに聞いた!)」
「俺としてはシャイニング事務所に居るからにはアイドルとしての新しい黒崎蘭丸を見せたいと思ってるんだが、ファンから求められてるのはロッカーとしての黒崎蘭丸だ」
「今、このタイミングで新しい可能性を求めても大丈夫なのか、それが心配でな」
「アイドルらしい曲と、ゴリゴリのロックと2曲用意してくれたんだが、俺はどっちを選ぶべきなのか…ってな」
「え、てか、今更じゃん?」
「……は?」
「いや、だって前のBRIGHT ROADの時の衝撃が相当やばかったし?お前の本スレマジ荒れだからね???」
「私らみたいな前のバンドから通ってた人間は特に、蘭丸が作曲してないってだけでめちゃくちゃ混乱したし」
「あの曲も十分今までの蘭丸の曲からしたら全然違ってたしもう次どんな曲来ても大丈夫だと思うんだけど」
「(次の新曲はナナミハルカちゃんの曲なのか。まあこの前のアルバムが蘭丸の曲多かったもんな……)」
「BRIGHT ROAD以降、蘭丸の曲の幅も広がったし、カルナイでの活動も増えたし、私はハルカちゃんにも感謝してるよー」
「でもアルバムにはまた蘭丸作曲もいれてね?やっぱゴリゴリのベース聞きたくなる時もあるから」
「……アイドルとして中途半端で、もっとアイドルっぽくしなきゃって思ってるんかもしれないけどさー、」
「もともと蘭丸はアイドルだけどロッカーでもあるって言うのが売りなんだから、バラエティの司会して、音楽のコーナー持って、演技して、CMに出て、ってただのロッカーじゃないし、歌って踊ってるんだしアイドルらしいことしてると思うよ」
「まあ、蘭丸が常に上を目指してるのは知ってるから自分で納得できないんだと思うけどさー」
「蘭丸が新しい一面見せてくれるって言うなら、楽しみに待ってる」
「これでいい?」
「ああ、ちょっとスッキリした」
「まあ悩みすぎるなって~!蘭丸のファンは人種のるつぼみたいなもんだから、いろんなファンがいるけどだんだんみんな耐性ついていくから心配なさるな」
「って、おそらく最古参の私が言ってみる」
「……おう」
「照れるなよ~、お礼は次の新曲でいいから~」
「遅くなりました……ってあれ……?」
「あ、もしかしてナナミハルカちゃん!?」
「は、はい……え、えっと……?」
「あーごめんね!蘭丸が浮気してるとかそんなことは天地がひっくり返ってもないから!」
「会えてうれしい!これからも蘭丸をよろしくね!!」
「こーんな可愛い子が彼女なんて…私ホントホっとした!!!!ありがとう!ハルカちゃん!!」
「じゃ、蘭丸!久しぶりに会えてよかった!!」
「おう、またライブでな」
「……えっと、さっきの方は……?」
「あー……すまん。アイツは昔からのファンっつーか半分知り合いみたいなヤツでよ」
「久しぶりにたまたま此処で会ったからついでにちょっと新曲の話聞いてもらった」
「……黒崎先輩の…昔からのファンの方ですか…?」
「やましいことは本当に無ぇからな?」
「アイツは俺が女嫌いになる前からの付き合いだからよ、春歌の存在にも気付いちまってたみたいでよ」
「BRIGHT ROAD作ってから雰囲気変わった、って言われちまった」
「でも、彼女出来てホっとしたってよ。いい彼女出来たんだろってな」
「だってよ、彼女サン」
「……」
「照れんなよ、彼女サン」
「……て、照れます……恥ずかしい」
「でも……やっぱり素敵なファンをお持ちですね、黒崎先輩」
「ファンはアーティストの鑑とも言いますし」
「まあな。アイツらは俺の誇りだからな」
「ファンを大切にされる黒崎先輩の姿勢、凄く好きです」
「……サンキュ」
※蘭春前提
「もしもし?」
「汐音!!!!!」
「あれ、梓じゃーん。久しぶりィ」
「汐音!!!」
「え?なんなのまじで」
「すー……はー……」
「よく聞いてください汐音さん」
「たった今元麺からの情報が来ました」
「蘭丸前盤一日限定復活だそうです」
「…は?」
「恐らく蘭丸は出ないだろうけど、あの散々な終わりを迎えて散り散りになったメンバーが!一日!限定で!復活するとよ!?」
「な、なんで!?」
「野外公会堂がさ、SSSの予定地になるとかでなくなるじゃん?」
「あーそれか」
「そうそう。ちなみに繋がり情報では一応蘭丸にも声かけたけど無理だったってよ」
「あー、まあそれはでも蘭ちゃん……複雑よね……」
「なんせ音楽性の違いとかじゃなくて、女関係でバンド解散になったし、蘭丸は悪くないから余計にな……」
「てか梓、まだ元麺の繋がりとかとも交流関係あったんだ?」
「いや、この間アド変の連絡来てそっからちょっと連絡取ってたらこの情報回ってきた」
「から、汐音に絶対言わなきゃって思ってだな」
「まあアイドルになってから私蘭ちゃん追いかけるのやめたからね~」
「前盤であがった懐古厨だからこそ汐音に連絡しないと、って思って一番最初に連絡した」
「懐古厨は余計なんですけど。別に本命変わっただけなんですけど」
「そんなこと言うなよ古株ゥ~」
「いや、元常連だから。現役のアンタに言われたくないから」
「でもとりあえず行くでしょ?」
「行く」
「やっぱり蘭ちゃん来なかったね」
「まあ普通に昔より仕事も多いだろうしねー。気まずいのとかもあるんだろうけど。なんか野音で歌ってるの見たらあの頃にこの景色見たかったなあって思ってしまった……」
「確かに」
「しばらく動けない……出待ちしてそのまま一緒に帰ったりとかワンマンライブ成功後に打ち上げした事とか、色々思い出した……泣きそ……え」
「……梓?」
「……」
「どしたの?……ちょ、あ!?」
「蘭丸とハルカちゃんじゃん……」
「ハルカちゃん!」
「あ!えっと黒崎先輩のファンの……」
「あの時名乗ってなかったっけか?梓でーす」
「梓さん、改めてよろしくお願いします」
「こちらこそーってあれ、今日何しに来たの?」
「えっと……黒崎さんの前のバンドのメンバーさんが出られると聞いて仕事終わりに来たのですが……」
「あー……さっき終わって撤収始まったんだよね……」
「そうなのですが、黒崎先輩が見ておけって……」
「ん?なんかはじまった?」
「これ……新曲!」
「え、新曲……!?」
「…もう、だめだ」
「相変わらず泣くの早い」
「む、むり……駄目だ……黒崎蘭丸眩しい……好きだ……」
「なんか…最近蘭丸疲れてるのかなー、顔ひきつってんなーって思ってたけど」
「今日めっちゃ楽しそう。やっぱりベース持ってる蘭丸活き活きしてるなあ」
「梓さんは、本当に黒崎先輩をよく見ていらっしゃるんですね」
「ん?ファンとしてはそりゃーねー」
「でも、今回の悩みも春ちゃんが解決してくれたんでしょ?」
「ありがとう」
「これからも蘭丸の支えでいてあげてね」