カルデア日記その11
ぷーさーPU大爆死した話
ぷーさーPU大爆死した話
「出会って一年以上!アーサーさんがようやく召喚できる機会がやってきた~~~!!!」
「随分嬉しそうだね、マスター」
「ええ、勿論です!だってアーサーさんの宝具を!ようやく!強化できるんですよ!!!」
「私にとってアーサーさんは本当に王子様で……」
「あの冬木の光景をモニター越しで見た後でも、マスターとして立ち上がれたのは他でもない。
アーサーさんのおかげです。あの時、アーサーさんが召喚に応じてくれて本当に、本当によかった」
「マスター……」
「北米でカルナやアルジュナに出会った時も、悩んでいた私が前を向けたのは、私に勝利をと約束してくれたからで」
「……それに」
「時間神殿でも……とどめを決めたのは貴方でした。私は、あの瞬間を絶対に忘れません」
「それにそれに!」
「まだあるのかい?」
「はい!!!」
「異聞帯でマシュちゃんしか出撃できなかった時も……一番最初に召喚に応じてくれたのはアーサーさんです。
なんだっけ……あの、クリチャーチ?を迎撃していた際に霊基グラフが熱くなって、それから……」
「……もうだめだ、って思った矢先、助けてくれるのがアーサーさんでした。
何度も、何度もくじけそうになっても、貴方の背中は……とても頼もしかった」
「……」
「ごめんなさい、なんか、思い出したら泣けてきて……」
「僕が君の力になれているのならば、嬉しいよ」
「だから、ずっとアーサーさんの宝具のチャージを上げきれない現状がとてももどかしくて……
私はこんなに助けてもらっていたのにって。
だから今日、絶対に強化します!!!!!!!絶対に!!!!!!!!!」
「かつてない爆死……どうしよう……絶対アルジュナに怒られる……」
「マスター、もういい」
「い、いや、でも……」
「君の気持ちだけで十分だ」
「……私は助けてもらった恩すら返せない」
「君に泣かれるとどうしていいかわからないんだが……マスターの気持ちはすごく伝わった」
「君が僕を思ってくれているように、僕も君を大切に思っているよ。だから、これ以上無理はしないでほしい」
「それに、他のサーヴァントは強化できただろう?今回はそれで充分だ」
「今の私は、きっと……アーサーさんに選んでもらえるような人間じゃないんだ……」
「マスター、部屋に戻ってくるなりクローゼットにひきこもるのはおよしなさい」
「やべで。絶対、瞼、パンパンだから……見るな」
「ま、マスター……」
「ほら、オルタも心配していますよ」
「う″……でも今日はダメ……アーサーさんに恩返しができないへっぽこマスターだから……」
「それは言ってはいけませんよ」
「オルタ?」
「……そうですね」
「あ、アルジュナまで?」
「マスター、私はほんの数か月前に貴女に召喚されました」
「きっと貴女があのアーサー王を召喚した頃から考えると、状況も、思いも、信念も、何もかもが違うと思います」
「ですが……私は”今の貴女”の召喚に応じて此処に居ます」
「……!」
「マスターはご自分の評価を低く言われる事がよくありますが、それは否定とは違います。
今のようにご自身を否定されるのは、貴女の声に喚ばれてやってきたサーヴァントも否定してしまうことになりますよ」
「……そう、だね」
「マスター。いえ、梓」
「貴女は黒との一件の後、こう言いましたよね?”ありのままの私でいい”と。
完璧を求めても完璧にはなれないのは、貴女も同じですよ。
私達、貴女のサーヴァントは”ありのままの梓”と契約をしたのですから」
「……」
「やっと出てきましたか」
「マスター!」
「ふたりとも、ありがとう。
私、やっぱり、二人に会えてよかった……」
「それは私達も同じ思いですよ。ですよね、オルタ」
「勿論です。貴女が居てくれたから、私はまたこうして自我を取り戻せたんですから」
「う、あーーーー!!!!!もーーーー!!!!!!!!!!これ以上泣かせないで!!!!!むり!!!!!!ありがとう!!!!!だいすき!!!!!!!」
「と、言うわけで気を取り直して召喚します」
「授かりの英雄は大丈夫なのかい?」
「はい、許可はもらいました。今月はもうアーサーさんだけって決めたので」
「そうか。では、マスターに任せるとしよう」
…
……
………
「ライダー、いや、オジマンディアスは宝具強化に満足していたね」
「そりゃあ、二日間で二回もしましたからね……あのファラオはもう宝具強化マックスですよ……」
「まだ、負けねえ~~~~~!!!!!!こっちにはアルジュナの加護がある!!!!
思い出せ!!!!!!!私は私のサーヴァントに誇りを持っている!!!!!!!
だからこそ!!!!!私が弱気になってはいけない!!!!!!みんなの!!!!価値を!!!!!下げるな!!!!!!!!!」
「ソイヤアアアアアア!!!!!!!!」
「あ、あ、あ……」
「おめでとう、マスター。これで僕も宝具が強化されたよ」
「や、やったあ……」
「ま、マスター!?」
「うぇ、あ、ご、ごめんなさい……気が抜けて……涙、止まんない……」
「あ、アーサーさん……!!これからも、よろしくおねがい、します……!!」
「ああ、勿論だとも。君が諦めずに召喚し続けてくれたおかげで、また強くなれた」
「これからも君に約束された勝利を捧げると誓おう、マスター」
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