降谷零
ずっと載せ忘れていたハロ花ネタ

「あ、飛田さん！　おはようございます！　今日もお早いですね！」
「おはようございます。三宅さんもお早いですね」
「最近異動になって通勤時間が長くなっちゃったんですよ〜」

「てか聞いてくださいよ！　彼氏、また連絡取れなくなっちゃったんですよ！」
「そ、そうなんですか……」
「まぁ連絡取れないのはいつものことなんで、留守電に「連絡入れろバーカ！」って入れようとしたら電源が入ってないみたいで留守電を入れることも出来なかったんですよ！」

「あーーーー！　ムカつく！」

「はっ……。すみません、朝から愚痴っちゃって……」
「いえ、お気になさらず。
　自分、話を聞くぐらいしか出来ませんので」

「はぁー……。飛田さんのお嫁さんが羨ましいです」
「え？」

「だって、気遣いの塊じゃないですか。飛田さん」
「うちの傍若無人天上天下唯我独尊男に爪の垢煎じて飲ませたい……」

「あの、三宅さん」
「なんです？」
「誤解されているようですが……。自分、独り身ですので」
「うっそ！？　ありえない！」

「安定した商社マンで清潔感があって性格もいい飛田さんが！？」
「うちのみたいに何してるかわからん顔だけ男よりよっぽど引く手あまたじゃないですか！」

「そ、そうなんでしょうか……？」

「そうですよ！　こちとら周りが結婚し始めて『梓ちゃんとこはどうなの？』って聞かれるたびに心を抉られているのに……」
「焦るアラサーなのではっきり言いますけど、顔や恋や愛より性格と安定を選びます」

「あ、でも飛田さん、ちょっとシャイだから合コンとか行ったら焦るハイエナたちに狩られそう……」

「ま、そんなこと言っても私はアイツのこと待ってるんですよね〜」
「ほんっと、悔しい……」
「三宅さん……」

「自分はフラフラフラフラしてるくせに、私にはやれ『米花町には来るな』とか『渋谷に行くな』とか色々言ってくるんですよね！」
「自分の行動見つめ直してから出直せって思うんですけど」

「てかそもそも渋谷に行くなって無理なんですよね」
「な、なぜ？」

「私、先月から職場が渋谷になったんで」
「えっ」

「あ、すみません。愚痴ってる間に駅着きましたね。飛田さんこっちの路線でしたよね？」
「あ、はい」
「朝からしょーもない話に付き合ってもらってごめんなさい！」
「あ、いえ……」
「弊社で合コンありそうな時は飛田さんを推薦しておきますね〜！」

（相変わらず、あの彼氏にこの彼女ありって具合でよく喋る人だな……）

「ってそうじゃない！　降谷さんに伝えないと！」